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ヨガの食事はどんなもの?マクロビなの?ベジタリアン?その実際をインストラクターが解説

野菜サラダ ヨガ哲学×生活

ヨガをしている人ってベジタリアンなんですか?

この答はNOでもあり、YESでもあります。

だって、日本で習い事のヨガをしている方でベジタリアンの方はほとんどいません。
けれど、インドのヨガの行者さんは皆、当たり前のように菜食だからです。

そして、趣味であってもヨガに熱中されている方や、インストラクターになっている方はベジタリアンの方もいますし、ベジタリアンでなくても食事に気を使っている方が多いのも事実です。

そういった方々も、ヨガをしているからと無理やりベジタリアンになっているのではなく、ヨガをするようになって、自然とお食事にも意識がむくようになったと言うのが正しい表現でしょう。

今回は気になるヨガと食の関係、お話していきたいと思います。

ヨガの目的

ヨガにおいての食べ物に対する考え方をお話する前に、そもそものヨガの目的を理解しなくてはなりません。

今、一般的にヨガをされている方の目的と言えば、健康・美容・ダイエット・ストレス解消が主なるものでしょう。
ヨガスタジオの入会時のアンケートでも、これらの回答をされる方が多いです。

けれど、本来のヨガの目的は、美容でもダイエットでもストレス解消でも、そして、ただの健康でもありません。

インドで何千年もかけて作られて来たヨガの目的、それはサマーディです。

え?サマーディ?なにそれ…

サマーディはインドのサンスクリット語で、日本語に訳すと悟りです。
ヨガの本来の目的って、悟りや解脱なのです。

仏陀目指そうぜ!みたいな。

まぁ、ほとんどの方が仏陀は目指していないでしょうし、悟りや解脱と言われても「ご遠慮致します」となると思います。
でもそう難しく考えずに、シンプルに悟りを表現すると、それは

カラダもココロも、そこに流れるエネルギーも、そして社会的にも健康で淀みなくいられる事です。
人間にとって最高に幸せな状態を目指しているのです。

だからヨガで食べ物を考える時も、カラダにもココロにもエネルギーにも良い食べ物か、そうでないかで考えす。

現代の一般的な考えは、食べ物=カラダの栄養です。
その点でもヨガの食べ物への考え方とは異なってくることが多々あるのです。

ヨガでの食べ物の考え方

ヨガでは、食べ物を3つの種類に分けて考えます。

  1. 純粋な食べ物
  2. 動的な食べ物
  3. 静的な食べ物

この3つの性質のうち、1の純粋な食べ物だけ良いとされています。

2の動的な食べ物、3の静的な食べ物は性質は違いますが、ヨガでは食べてはいけないものなのです。

では、それぞれの性質でどんな食べ物があるのか見てみましょう。

純粋な食べ物

純粋な食べ物はヨガの言葉で言うとサットヴァな食べ物です。
ヨガを真剣に取り組もうとする人に最適な食べ物とされています。

必要な栄養を与え、身体を穏やかに保ちながら、同時に心を鎮め、浄化し、その潜在能力を極限まで引き出してくれる食べ物です。

健康な身体と、それを制御する落ち着いた心、さらにその2つを結ぶバランスのとれたエネルギーの流れ、この3拍子揃った真の健康につながる食べ物とされています

ヨガでの食べ物は、ただ単にカラダに栄養を与えるだけではなく、直接ココロの栄養やエネルギーの流れにも関わっていると考えられているのです。
だからどんなお食事をしているかは、その人のココロ持ちや人生にも影響を与える、人間が生きるのにとても大切な事とされています

シリアル、玄米、無精パン、新鮮な果物や野菜、無添加の果汁、牛乳、バター、チーズ、豆類、ナッツ、種、もやし、ハチミツ、ハーブティ・・・など

動的な食べ物

動的な食べ物はヨガの言葉で言うと、ラジャスな食べ物。
極端に辛味・苦味・酸味が強い食品や、乾燥または塩漬にした食品です。

心と身体の均衡を破り、心をないがしろにしてカラダのみを養う食べ物とされています。

食べすぎるとカラダに過剰な刺激を与え、情熱をかきたてることになり、心が落ち着かず、コントロールがきかなくなるそうです。

カラダの栄養にはなるけれど、ココロにはよくない食べ物ってイメージでしょうか?

強い香辛料、ハーブなどの辛いもの、コーヒーや紅茶などの刺激物、魚、卵、塩、チョコレート・・・など

急いで食べるの動的な食事です。

静的な食べ物

静的な食べ物はヨガの言葉で言うと、タマスな食べ物です。
この性質の食べ物は、カラダにとってもココロにとっても何の利益もないとされています。

プラーナ、すなわちエネルギーが影をひそめ、理性のはたらきがくもり、代わりに無気力感にとらわれます。

カラダのもつ病気への抵抗力が打ち消され、心には怒り、貪欲さといった暗い感情が満ちてきます。

書いてて最悪だな、と思いました。
でも、この静的な食べ物に、多くの人の大好物が含まれています!

肉、アルコール、タバコ、たまねぎ、にんにく、酢などの発酵食品、鮮度の落ちたもの熟しすぎのもの・・・など

食べすぎも静的な食事です。

ヨガのベジタリアンとその他のベジタリアン

ヨガでおススメの食べ物を見て、おや?と思った方もいらっしゃるでしょうか?

  • ヨガってベジタリアンじゃないの?
  • ベジタリアンって乳製品もだめなんじゃない?

確かに、厳格にヨガを行っている人ってベジタリアンなイメージです。
実際、インドのヨガの行者さんはお肉も魚も食べない方がほとんどです。

ただ、そのベジタリアンが、今一般的に想像されるベジタリアンとはちょっと違うのです。

そもそもヨガはインド発祥のものですが、今主流になっているベジタリアンは欧米発祥の概念です

インドではヨガに関わらず大昔から宗教上の理由等でお肉を食べない人も多くいらっしゃいます。
文化としても引き継がれて来たインドの菜食と欧米のベジタリアンの考えは必ずしもイコールではなありません。

また、日本には日本の菜食もあります
有名なのはマクロビオティックですが、それもヨガのベジタリアンとも欧米発祥のベジタリアンともまた、違います。

ベジタリアンと一言で言っても、様々な考え方の違いがあり、食べて良い食材の内容も違っています。

ベジタリアンの種類

欧米発祥のベジタリアンだけ見ても、種類が色々とあります。

ヴィーガン

肉・魚・卵・乳製品、蜂蜜も含み、動物性食品全般を口にしないタイプです。

おそらく多くの人が思い浮かべるベジタリアンはこのヴィーガンではないのでしょうか?
その為、ヨガのおススメ食材に乳製品が入っているのに違和感を感じるのだと思います。

ラクトベジタリアン

肉・魚・卵を避け、乳製品は食べるタイプです。
ラクトはラテン語で【乳】を意味します。

オボベジタリアン

肉・魚・乳製品を避け、卵は食べるタイプです。
オボはラテン語で【卵】を意味します。

ラクトオボベジタリアン

肉・魚は避け、卵と乳製品は食べるタイプです。

ペスカタリアン

ベジタリアンとはちょっと違いますが、ペスカタリアンと言うのもあります。
お肉だけ避けて、お魚・卵・乳製品は食べるタイプです。

マクロビオティック

食養の考えに陰陽論を加えた考え方兼食事法です。
玄米や全粒粉などの穀物を主食に、旬のお野菜や海藻・豆・お塩等を中心に献立を組み立てます。

それぞれの食材には陰と陽、調理法にも陰と陽があり、その人間にとって最適な引用バランスが保てるような食材選びや調理法をします。
その他、食材を丸ごといただく事で栄養バランスがとれるという考えで、皮や種、根っこも可能な限り食べます。
季節にその土地で出来る食べ物を食べるという考えです。

本来マクロビオティックはお肉を禁止しているわけではありませんが、陰陽バランスを考えて食べない方も多いので結果菜食になっている方も多いです。

食に対する考え方は賛否両論

10年以上前にもヨガのブログを書いていた事がありました。
その中で、今回のようにヨガでおススメされる食べ物について書いた事があります。

すると、純粋な食べ物の中に牛乳・バター・チーズが入っているのを見て、こんなコメントを頂きました。

牛乳やバターはおすすめしません。
これらは害毒です。牛乳を常飲すると骨粗鬆症になるし、バターはトランス脂肪酸といって人間の体に悪いものを含みます。また、人間は農薬の付いた野菜や果物も、皮をむいたり、洗ったりして口に入れますが、家畜はそのまま食べさせられます。
体に蓄積した農薬は乳に混じります。

私も乳製品の問題点については、存じております。
そして、乳製品は素晴らしい、と主張する説も存じております。

その他、砂糖の害や砂糖以外でも糖質問題、その他食品添加物の事など、一言で食と言っても様々な問題や食事法があります。

今回ご紹介しているのは、あくまでヨガにおけるお食事の考え方についてです。

日本とは文化も環境も違うインドです。
そこで何千年も前からあれこれと考え、体験し、作り上げられてきたものです。

文化も気候も価値観も違う人々から見たら、おや??と思うものもあるかもしれません。
だからきっと、日本のヨガインストラクターでベジタリアンをされてる方で、純粋にヨガでおススメな食べ方をしている方はほぼいないのでしょう。

やはり欧米型のベジタリアンかマクロビオティックをされている方が多いのも事実です。

ただ、ヨガに興味を持った者として、ヨガでおススメなお食事、そしてその意味をしっかり理解している事は大切かなぁと思います。

なな
なな

そう言えば、イギリスに長く住んでる友人が、「こっちのベジタリアンってみんなフライドポテトばっかり食べてて不健康なイメージ!」と言っていました。動物愛護の目的でベジタリアンをされている方はそうなるかもしれません。目的によっても変わりますよね。

食べる事に意識を

今まで無意識だった事に意識をむけること。それがヨガです。

インドの大先生のお言葉です。

ヨガは、カラダ・ココロ・生活習慣に至るまで、今まで無意識で行ってきた事に意識を向けられるようにする事です。

大切なのは、今まで無意識で食べていた食事にしっかりと意識を向けられるようになる事が大切です。

考えてみて下さい。あなたが今、日々食べている食べ物、どうして食べているんでしょうか??

例えば、日本で多くの方が食べて当たり前と思っているお肉は、牛・豚・鶏です。
そして海に囲まれた日本では、魚や海藻も良く食べますし、野菜や果物・豆料理も豊富です。
でもこれ、子供の頃からみなさん当たり前に食べているので、

何故これを私は食べているのか?

について考えた事のある方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか?

今年の初めに犬食禁止の法案が可決されたそうですが、お隣の韓国や中国、その他アジア圏では犬肉を普通に食べるところがあります。

犬を食べる習慣の無い日本人からすると驚くことですし、犬と生活されている方からしたら卒倒ものでしょう。
けれど、考えてみて下さい。

牛も豚も鶏も犬も、皆同じ動物です。

牛や豚や鶏はよくて、犬がダメってどうしてでしょうか?
その他、ウサギや鹿、など色々な生き物が食べられていますが、こっちは良くて、あっちは悪いはどうしてでしょうか?
結局、生まれ育った場所の文化として根付いてきた価値観をただ引き継いでいるだけで、自分自身で考えたわけではない事がほとんどです。

犬を食べる方々も、生まれた時から普通にそれを食べてきているだけの話で感覚は日本人が牛・豚・鶏を食べるのとなんら変わらないはずです。

お肉だけでなく、全ての食べ物に対して同じ事が言えます。

自分が日々、何の為にどんなものを食べるのか。

無意識ではなく意識的に食べる事がまた一つのヨガであり、大切な事であります。

私の食生活:お肉を食べなくてどうなったか

参考までに、私一個人のヨガを始めてから実際に起こった食事の変化を記そうと思います。

ヨガを始めてしばらくした頃、自分の食べているものを真剣に考えてみました。
その結果、お肉を食べるのを辞めてみたい!と好奇心に駆られました。

純粋にお肉を食べるのを辞めたらどうなるのか?と興味を駆られたのです。

それと、自分自身の性格を考えた時に、例え極限状態になったとしても自力で狩りをして動物を捌く事は出来ないだろうと思ったのもあります。
何があっても人の手をお借りしないと食べられないものは、私の食べ物ではないのでは…?と感じたのです。

そして、とにかくただひたすら湧いてきた好奇心と共に、ウキウキとお肉を食べなくなったのを覚えています。
この時同時にアルコールもやめました。

約20年前の事です。

最初はまずとりあえずお肉を食べない生活をしてみました。
先ほど紹介した分類で言うとペスカタリアンですね。

これが意外と、苦も無く、むしろ楽しく取り組めたので、そのまま魚もやめてみてラクトオボベジタリアンに、その後卵もやめてみてラクトベジタリアン、その後全部やめてみてヴィーガンになりました。

食を変えると、本当にカラダやココロに変化が現れるので、その変化を体感するのがとても楽しくて、ほぼ遊び?趣味で色々人体実験をしていた感じです。

結果私はラクトオボベジタリアンで落ち着き、長い事その状態で過ごしておりました。

10年以上前に書いていたブログの中で、お肉を食べなくなってどう変わったかを書いていたものがありました。
13年前の記事の抜粋です。

私がベジタリアン(ラクト・オボ)だと言う話になると、決まってされる質問があります。

「お肉食べなくなって何が変わった?」

これは本当によく聞かれる質問なので、多くの方が気になる点なのだろうと思います。
そして、これに対する私のお返事はとても簡単。

「カラダによどみが無くなった感じだよ~~~♪」

自分の実感をただ口に出すだけなので、大体がこんなお返事になります。
でも本当に、私にとってはこの言葉がぴったりなのです。

カラダがとてもクリアになった感じ
そしてよどみが無くなった感じ

とは言え、それまでも自分のカラダがよどんでるなんて思った事はなく、不健康だと思った事も無く、何か不調があったわけではありません。
ただ、たまたまお肉を食べなくなったら、その後のカラダの澄み渡り方が半端じゃなく、軽くて(体重じゃなくて体感の話)、The健やかさを感じるのです。

正直私、お肉を食べない生活が長くなりすぎて、今の感覚が当たり前になりすぎています。
その為、食べなくなってどう変わったかなんてすっかり忘れておりました。
でも、この記事を読んで、その時の自分の感覚を思い出しました。

確かに、当時本当に、カラダもココロもクリアになったのを覚えています。

それと同時に、ヨガで食べ物はカラダの為だけではなく、ココロやエネルギーにも作用して育むものである、とされている理由をなんとなく実感しました。

食生活で遊ぶ

妊娠するまでの私は長くラクトオボベジタリアンでした。
お肉とお魚は食べず、乳製品と卵は食べるタイプです。

で、そのスタイルは変わらないのですが、その中でも私は様々な食実験をしておりました。

・グリーンスムージー生活
・ローフード
・糖質制限
・マクロビオティック
・グルテンフリー

等など、興味を持ったものは実際に一定期間試してみました。

その他、ヨガのお勉強の一環として「一週間糖分を抜いてみる」とか「一週間塩分を抜いてみる」とかもチャレンジした事があります。

そのどれも、本当に自分自身に色々な変化があり、興味深いのです。

ヨガを始めて、食生活にも興味を持ち始めた方は、頭でっかちに難しく考えず、とりあえず何か食を変えてみて下さい。
自分で変化を感じて初めて、その意味が分かり、より自分の食べている物を意識的に捉える事が出来るようになると思います。

今の私

ずっとラクトオボベジタリアンだった私ですが、今はペスカタリアンになっています。
長男の妊娠中に魚を食べるようになりました。

この話をするとよく「良かったね」とか「栄養の為ね」と言われます。
それを聞く度、世間の風潮はベジタリアンに対して否定的で、栄養が足りていない印象があるんだぁと感じます。

けれど私が魚を食べるようになったのは、別に妊娠中の栄養が足りないと思ったからではありません。
子供を産んでも、世間と全く関わらずに子育てが出来るのなら、私はずっとラクトオボベジタリアンでいたと思います。
それで赤ちゃんの栄養が足りなかったとも思いません。

では、何故魚は食べるようにしたのか?

それは、人付き合いが出来ないと思ったからです。

出産直前まで、私はどっぷりヨガの世界におりました。
日々会う人も、出かける人もヨガ関係の人ばかり。
私以外にもベジタリアンの方が一定数いるので、理解のある方ばかりです。
外食やお茶をするときに困る事はありません。

また、ヨガ関係でなくても、以前からの親しい友人や家族は私のことを理解してくれている人ばかり。
ベジタリアンだろうが、何でも食べようが、お酒を飲もうが飲むまいが、そんな事は一切関係なく付き合ってくれます。

けれど、子供が生まれて初めて付き合う事になるであろう、ごく普通?の方々とはベジタリアンだと交流が難しいのは目に見えています。
いわゆるママ友付き合いっていうやつですか?
その事を考えた時に、せめてお魚は食べないと、成り立たないなあと思ったのです。

別に私はママ友が積極的に欲しいタイプではありませんが、私のせいで息子の交友関係が狭まる事はしたくなかったのでそうしてみました。

だからまた、子供の手が離れて、基本的に自分の世界の交友関係中心にいられるようになったら、ラクトオボベジタリアンに戻るかもしれません。

まとめ

ヨガを始めて、食生活に興味を持ったらまず大切な事は、ヨガでは食事をどう考えているかを知ることです。

そして、今まで無意識で食べ続けていた自分の食事に意識を持ってみることです。
意識をしていると、もしかしたら当たり前だと思ってた事に疑問が浮かぶかもしれません。

ベジタリアンでなければならない!!
素敵なヨーギニー(ヨガをする人)は健康的な食生活をしなくてはならない!!

など、頭でっかちな~べき論は視野を狭め、執着を生み、ヨガからもカラダとココロの健やかさからも遠ざかります。

そして、自分にとって良さそうな食生活に出会った時に

〇〇な食事法こそ最高だ!!

とその食べ方に執着してしまう事もまた、ヨガや健やかさから遠ざかる事かもしれません。

人間はいつも変化し揺れ動くものです。
その自分自身の変化を常に感じて、自分自身のカラダの声を、そして乱れる感情ではない本当のココロの声を聞くことで、一人ひとりに最も適したその人自身最高の食べ方に出会えるのだと思います。

なな
なな

食生活も楽しんでいきましょう~♪

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