自宅でホットヨガって出来ますか?
ヨガのオンラインクラスが当たり前になった昨今、家で出来るヨガと言えば常温ヨガ。
自宅にいながら本格的なレッスンが受けられるのは嬉しい事ですが、ホットヨガ愛好家の方には少し物足りないかもしれません。
だからこそ時々、冒頭のような質問をされるのだと思います。
ホットヨガは自宅で出来るのか?
答えとしては、出来ます。
長年ホットヨガのシェアNO.1を誇っているLAVAの創業者の方は、開業前にご自宅でホットヨガを試されたとの話があります。
そして、書く言う私自身、ホットヨガスタジオの立ち上げを2度ほど見て来ていて、実際に家で再現出来ることを知っています。
とは言え、ある条件を満たしているお宅以外では、全くおススメはしませんけどね☆
今回は自宅でホットヨガをどうしてもやりたい!!と言う方へ、その方法と注意点をご紹介致します。
ホットヨガとは
自宅でホットヨガを行うために、まず、ホットヨガがどのようなものかを確認しておきましょう。
ホットヨガとは、通常のヨガをホットな状態で行う事を言います。
温度や湿度に決まった数値はありません。
温度30℃~40℃くらい、湿度は50%~65%くらいと幅があり、それぞれのスタジオにより設定が異なります。
そのような、高温多湿の環境の中で行うヨガをホットヨガと言います。
ヨガの流派と勘違いされる事もありますが、ホットヨガという特別な流派があるわけではありません。
その為、何かホットヨガだけの特別なポーズや呼吸があるわけではないのです。
もし、自宅でホットヨガを行いたいと思ったら、家で高温多湿の環境を準備する必要があります。
ホットヨガに必要なもの
ご自宅でホットヨガの高温多湿状態を表現する為に必要なものは主に3つあります。
- 暖房機器
- 加湿器
- 温度湿度計
実際、多くのホットヨガスタジオもこの3つで高温多湿の環境を作っています。
暖房機器
ホットヨガスタジオでは、様々な暖房機器が使われています。
他のスタジオとの差別化を図る為に、こだわりの暖房機器を使っているスタジオも数多くあるのです。
- 室内の空気をキレイに保つクリーンヒーター
- 足元から暖かい床暖房
- カラダを効率的に温める遠赤外線ヒーター
- 遠赤外線床暖房
- 岩盤石
- 溶岩石
色々な暖房機器でお部屋を暖めています。
とは言え、自宅でお部屋を暖める際は、わざわざ特別な暖房機器を用意する必要はありません。
もともとご自宅にあるエアコン等の暖房機器で構いません。
加湿器
加湿器も実際のスタジオではさまざまなものが使われています。
- 銀イオンが出る加湿器
- アロマミストの加湿器
- 空気清浄加湿器
こちらも家では普通の加湿器で問題ありません。
ただ、自宅で使う加湿器程度だと加湿の量が足りません。
ホットヨガの環境を作る場合は、日常で家を加湿する時よりも加湿の量が必要です。
実際にホットヨガスタジオに通っていらっしゃる方は、スタジオに設置された加湿器を見てみて下さい。
業務用のとても大きい加湿器が置いてあるか、通常の加湿器の場合は数多く置いてあるのに気付くと思います。
何ケ所ものスタジオと自宅とでたくさんの加湿器を使ってきましたが、個人的にスチーム式加湿器が断トツおススメです! |
ホットヨガスタジオでの加湿器のお手入れって、数が多い分だけめちゃくちゃ大変なんですよ~。楽が一番!
温度湿度計
もし、自宅でホットヨガをやりたいと本気で思ったら、温度湿度計は絶対に必要です。
それが無いと実際にお部屋の中が何℃の何%になっているか分からないからです。
温泉が気持ちよくて長く入りすぎてしまった結果、のぼせて倒れてしまう経験のある方もいらっしゃるでしょう。
ホットの空間も同じで、その時の感覚で大丈夫だと思って行っていたら、とんでもない高温多湿になっていて倒れてしまう事だってあり得るのです。
自分の感覚だけに頼るのではなく、しっかりと目で温度と湿度を確認する事もとても大切です。
何でも良いので、お求めになりやすいものをお一つご用意ください。
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ホットヨガの環境の作り方
必要なものが揃ったら、ホットヨガの環境を再現してみましょう。
ステップは簡単に3つ。
- ヒーターをつける
- 加湿器をつける
- 温度湿度計で確認する
実際のホットヨガのスタジオでも、スタジオの環境作りという点ではこの3つを行っています。
レッスン前にはこの3つを事前に行って参加者をお迎えしているのです。
その為、自宅でもこの3点を行えばホットヨガの環境は再現できます。
温度と湿度を決める
まず最初に、理想の温度と湿度を決めます。
初めてホットヨガをする方は30℃~33℃程度の弱ホットの環境から試すのが良いと思います。
もうすでにホットヨガに通われている方は最大38℃を目安に、ご自分が通われているスタジオの温度設定を参考にされるのが良いかもしれません。
どんなにホットヨガに慣れている方でも室温40℃以上は目指さないようにしましょう。
湿度は60%前後で考えておくと良いと思います。
湿度の場合も65%以上にはならないように気を付けましょう。
温度環境の作り方
初めてホットヨガの環境を作る際は、まずはお手持ちのヒーターを最大温度でつけてみます。
20分くらい待って、室温がどれくらい上がっているるか、確認してみましょう。
室温の上がり方も、季節やその日の天候によって大きく変わります。
真夏はエアコンを弱めにつけるだけや床暖房だけでも室温が上がりますが、真冬になるとそうもいきません。
1台のエアコンやヒーターでは全く温度が上がらない事もあります。
その為、とりあえず1台マックスでつけてみて、室温の上がりを確認します。
それから、理想の室温にはマックスは必要が無いのか、それとももっと暖房機器が必要なのか等考えてみます。
湿度環境の作り方
湿度の調節も、まずはお手持ちの加湿器をつけてしばらくしてから湿度計で確認してみて下さい。
梅雨等のジメジメした季節や雨の日でもない限り、なかなか湿度60%の実現は難しいのがわかると思います。
実際にホットヨガスタジオでも乾燥した冬場に湿度を上げるのは大変で、何台も加湿器を使ったり、電気式蒸し器等を使っているところもあります。
これ、実際に使っていたスタジオがあります。 お家では普段は普通にお料理に使えるので、一台持っていても無駄にはなりませんね♪ |
温度だけ上がっていたら湿度はそんなに高くなくても良いんじゃない?
これ、私も大昔ホットヨガスタジオで働き始めた頃は思った事があります。
でも実は、湿度って汗のかき方に大きく関わっています。
例えば温度が40℃でも湿度が20%くらいだと、熱いけれども汗はそこまで大量には出ません。
逆に湿度90%など高くなりすぎると、温度はそう高くなくても汗はダクダク、ジメジメして息苦しくなったりします。
それを理解した上であったら、個人で楽しむ分には湿度の低さは気にしなくても良いかもしれません。
お家でホットヨガをする時の注意点
以上を実践すれば、ホットヨガスタジオと同じ環境が整います。
もしこれからホットヨガスタジオを新にオープンしたい方も、そのまま実践して頂いて構わないくらいです。
ですが、お家でホットヨガを実践する際には注意しなくてはならない事があります。
そしてこの注意点こそ、私が積極的にお家でホットヨガをする事をお勧めしない点でもあります。
急な体調不良に助けてもらえない
実際にホットヨガスタジオで働いていて、レッスン中に体調を崩される方にお目にかかる事はほとんどありません。
スタジオ全体で見ても、私がホットヨガのクラスを担当していた8年間で数例だけです。
そして、実際に私の担当したクラスで体調を崩された方は1人もいません。
その為、私個人としてはレッスンの最中にのぼせたり体調を崩される方を見た事が無いのです。
とは言え、そう多い事では無いにしろ、実際に高温多湿の環境にのぼせてしまったり、気分を悪くされる方もいらっしゃるのです。
それが一人の自宅で起こってしまっては大変です。
だから、どうしても自宅でホットヨガをされたい方は、少しでも体調が悪いと思ったらすぐに暖房機器と加湿器を止め、窓やドアを開けて換気をしてお休みをする事を守って下さい。
そして、ご一緒に生活する方がいらっしゃる方はホットヨガをする事を相手に伝えて、1時間くらいで様子を見に来てもらえるようにお約束をしておくと良いかもしれません。
カビが生えやすい
カビが生えやすくなる湿度ってご存じですが?
それは、60%
そう、まさにホットヨガスタジオで再現されている湿度環境にドンピシャなのです!!
私が最初に関わったホットヨガスタジオは、ニューオープンのスタジオでした。
その為、その生い立ちから成長をまざまざと見てきました。
そんな中、個人的に密に注目していたのが、カビです。
そのスタジオでは、私はインストラクター業だけをしていました。
けれど、スタジオ運営に興味があったので(やりたいのではなく、本当にただの興味)、スタッフの皆さまのお仕事内容や動き、スタジオの管理法など見れる範囲で観察していました。
そこにはたくさん学ぶべき事があり、私たちインストラクターが楽しくレッスンをする裏で、どれだけスタッフの方達が頑張って下さっているかを知る事も出来ました。
気が付いた事、学んだ事は多々ありますが、その一つがこのカビ問題です。
オープンしたてのスタジオはもちろんピカピカです。
ですが、一日の多くの時間を湿度60%程度で保たれ続けていると、気が付いた時にはカビが生えてしまう事もあるのです。
丁寧なスタッフの方が逐一換気をしたり、念入りにお掃除をしたりしていてもです。
パウダールームやスタッフルームにカビが生える事は無いので、本当にスタジオ内だけ。
他のホットヨガスタジオに視察に行く時も、密にスタジオのカビにも注目して見ていましたが同じ問題を抱えているスタジオも数多く見てきました。
その後私は、新たなホットスタジオの立ち上げにメインで関わりましたが、密にカビ対策を万全にしていました。
多分他のホットヨガスタジオでは行っていないであろうくらい念入りに。
もう、壁紙からカビ視点で選んでいるくらいです。
おかげ様で、私が在籍していた間、そのホットヨガスタジオ内にカビが生える事はありませんでした。
対策をしまくった結果です。
それくらい、湿度60%とカビは仲良しです。
それをご自宅で再現する勇気、ありますか…?
私は正直ありません。
だからホットヨガを自宅で行うのは、部屋数が多いお宅で、一部屋ヨガルームとしてほぼ物を置かない窓のあるお部屋を用意出来る方のみ良いのかな?と思います。
ヨガスタジオって基本ほとんど物が無い空間なので、カビが生えても壁紙の隅っこ程度です。
ちゃんとしたスタジオなら、生えたのに気がついたらすぐにお掃除をするのでそれ以上広がる事もありません。
けれど、物の多い家の一室だったらどうでしょうか?
壁紙の墨にちょこっと生えたカビには気付かず、気付いた頃にはお洋服や鞄等、お部屋においてあるものにカビが生えているかもしれません。
まぁ、お家でホットヨガをする場合、一日中高温多湿なスタジオとは違い、週に数回1時間ずつ程度なので、その後の換気を万全にしたら大丈夫なのかなぁ?との思いもありますが、私は試す勇気はありません。
電子機器が壊れやすい
高温多湿な環境と電子機器は相性が悪いです。
ヨガスタジオには雰囲気作りの為、音楽再生機器が置いてあるところが多くあります。
色々なスタジオを見てきた結果、常温のスタジオよりホットヨガスタジオの方が圧倒的に音楽再生機器が壊れやすいです。
それはやっぱり高温多湿な環境のせいでしょう。
とは言えもちろん、一回使ったら壊れるほどのレベルではありません。
物により違いはあれど、だいたい1年くらいで寿命が来てしまうイメージです。
ホットヨガが自宅で出来ないか?と聞かれる時に私が毎回疑問に思うのは、その方がレッスン内容をどうしようと思っているか?です。
自分でレッスン内容を組み立てられて、ホットの空間だけあればヨガが出来る方は良いと思います。
また、本を見て取り組むのも大丈夫でしょう。
けれど、ホットの空間でDVDやオンラインヨガの受講をしようとしてるとしたら、そこには電子機器が必ず登場します。
DVD再生機やPC・スマホ等。
私はそこを少し心配してしまいます。
もちろん、カビ問題と同じで四六時中高温多湿の状態にあるわけではないので、ホットヨガスタジオと同ペースの負担がかかるとも思いませんけど。
まとめ
ご自宅でホットヨガをするのは、出来なくはないですが心配な部分が多い、というのが結論です。
自己判断でどうしてもやりたい方は試してみるのもいいかもしれません。
でもやっぱり、それならスタジオで安心して楽しもうと言う方は、ホットヨガスタジオに通ってみて下さい。
お家でホットヨガをしたいと思う方は
通うのが面倒臭い!
予約が面倒くさい!
という点も大きいでしょう。
そんな方におススメなスタジオを2つご紹介致します。
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