ホットヨガと常温ヨガってどっちがいいですか?
初めてヨガスタジオに通おうと思った時、迷う方が多いと思います。
実際に私も、この質問は幾度となくされてきました。
正直、ホットヨガと常温ヨガのどちらが良いかは人によります。
人それぞれ、ヨガをやる目的もカラダの状態も違いますから。
なので私はこの質問をされても、「人それぞれなので一概には言えない」と言うのが率直なお返事です。
この記事では、ヨガインストラクター歴もうすぐ20年!常温ヨガとホットヨガ、どちらのレッスンも担当経験のある筆者がホットヨガと常温ヨガの違いやメリットデメリットを詳しくご説明致します。
ホットヨガと常温ヨガのメリットデメリットをよく理解して、ご自身の目的や体質にあったヨガを楽しんで頂けたらと思います♪
ホットヨガと常温ヨガ
ホットヨガと常温ヨガの違いって何でしょうか?
実は、ホットヨガであろうが、常温ヨガであろうが、ヨガには違いはありません。
そのヨガをする環境に違いがあるのです。
ホットヨガとは
ホットヨガとは室温38℃前後、湿度60%前後の高温多湿の環境で行うヨガの事です。
スタジオにより室温は30℃~40℃越え、湿度は55%~65%くらいと幅があり、特に決まった温度や湿度があるわけではありません。
よく、ヨガの流派の一つと勘違いされる事がありますが、あくまでホットの環境で行うヨガですので、その環境下で様々な種類のヨガのクラスが行われています。
その為、行われるポーズ(ヨガではアーサナと言います)は常温ヨガとほとんど変わらず、ホットヨガだけの何か特別なポーズ(アーサナ)があるわけではありません。
常温ヨガとは
一方、常温ヨガとは普段私たちが室内で日常的に生活しているのと同じ、いたって普通の環境の中で行うヨガです。
20年くらい前まではヨガと言えば常温ヨガの事だったので『常温ヨガ』という言葉は聞いた事がありませんでした。
その後ホットヨガが人気になると共に、区別する為に『常温』という言葉がつけられるようになりました。
オーソドックスなヨガと言えば、こちらの常温ヨガをさします。
ホットヨガと常温ヨガの効果の違い
ホットヨガも常温ヨガも、どちらも⦅ヨガ⦆なのでヨガそのものの効果は得られます。
本来、ただヨガを行う環境が違うだけの話なのですが、ホットヨガの環境が少々特殊なので、色々と違いが生まれます。
それぞれの環境によるメリットデメリットを見ていきましょう。
ホットヨガのメリット
ホットヨガのメリットは大きく2つあります。
- 暖かい環境の中で行うので筋肉が緩みやすくなる
- 大量に汗をかくことによるデトックス効果と爽快感
温かい環境の中で行うので筋肉が緩みやすくなる
ホットスタジオの中は足を踏み入れただけでホワッと温かくなる環境です。
高温設定のヨガスタジオでは、一歩入った瞬間にムワッとするところもあります。
クラスが始まるのを待っている間にもカラダが温まり、筋肉も緩みやすくなります。
クラスが始まる時には既にカラダが緩んでいるので、柔軟性が増しヨガのポーズもとりやすく、深まりやすくなります。
筋肉が緩みやすくなるという事は、ヨガの効果の一つである肩こり腰痛などの凝りの緩和の効果も増進されます。
大量に汗をかくことによるデトックス効果と爽快感
ホットヨガのクラスではバケツをひっくり返したかのように汗をかきます。
(※リラックス目的のクラスでは汗ばむ程度のものもあります)
溜まっていた老廃物が排出されるので、デトックス・代謝アップ・美肌などなどの効果が期待できます。
また、大量の汗をかく事による爽快感は病みつきになる方がたくさんいらっしゃいます。
ホットヨガのデメリット
ホットヨガのデメリットは大きく6つ
- 帰り支度が面倒くさい
- メイクが崩れる
- 通常よりも筋肉が緩むので調子に乗るとケガをしやすい
- 体調の悪さは助長されることも
- 上級アーサナ(ポーズ)に挑戦できない
- 健康な人のもの
帰り支度が面倒臭い
汗だくになっているので、正直終わった後の支度は少し面倒くさいです。
多くの方がシャワーを浴びて帰りますが、スタジオに設置されているシャワ―の数は参加人数より少ない場合がほとんどです。
その為、シャワーの待ち時間がかかる事もあります。
メイクが崩れる
汗だくになりますので、メイクは確実に崩れます。
夜のクラス等、お仕事帰りの方が多いクラスでは、終わり頃には皆さま眉毛がなくなっています。
お化粧崩れが気になる方は開始前にメイク落としをされる事も。
小さな事ですが、毎回メイクを落とすのは少々手間だと感じる方もいらっしゃるでしょう。
通常よりも筋肉が緩むので調子に乗るとカラダを痛める事も
これはちゃんと先生のお話を聞いて適切な範囲でポーズを行っていれば問題はありません。
私自身、長くホットヨガのクラスの指導もしていましたが、実際にカラダを痛めた方はいらっしゃいません。
ただ、カラダがいつもより緩んでいると嬉しくなって、ついつい過剰にポーズを取ってしまう方がいらっしゃるのも事実です。
それによって、痛めてしまった話を聞いた事はあります。
体調の悪さが助長される場合も
ちょっと調子が悪いかなぁ…というような体調の時、ホットの環境の中に入るとのぼせやすくなり耐えられない状態になる事があります。
休むほどでもない体調不良の時、普通のヨガであれば行うとカラダがスッキリする事もあります。
けれどホットヨガではそうはいきません。
上級アーサナ(ポーズ)に挑戦できない
ホットの環境はそれだけで普段よりカラダに大きな負担がかかっています。
その為、基本的に上級アーサナ(ポーズ)は行いません。
ヨガの上級アーサナ(ポーズ)に挑戦したい人にとっては物足りないかもしれません。
健康な人のもの
ホットヨガは基本的に健康な人が行うものです。
本来のヨガであれば体質改善や不調の改善にも効果的ですし、持病やハンディキャップのある方でも行う事が出来ます。
けれどホットヨガは健康な人が楽しむものであり、不調のある方には向きません。
時々「病院でヨガを勧められたから」とホットヨガを始める方がいらっしゃいますが、私は病院で勧められた場合は常温のヨガをおススメします。
常温ヨガのメリット
常温ヨガのメリットは大きく3つ
- 自然な環境で行うので不必要な負担がかからない
- メイク0K・着替えが楽
- 誰にでも出来る
自然な環境で行うので不必要な負担がかからない
本来ヨガは特別な不可をかけずともそれそのものでその人自身を整えられるようになっています。
クラスによっては常温でも大量の汗をかきますが、内側から作り出される自分の熱による汗です。
のぼせやすくてホットヨガの環境が合わない方はいても、常温ヨガの環境が合わない方はいらっしゃいません。
メイクOK・着替えが楽
ホットヨガのように毎回滝のような汗をかくわけではないので、メイクはしたままで問題ありません。
(※リラックス系~アクティブ系まで様々なクラスがあるので、内容によっては常温クラスでも大量に汗をかくこともあります。)
リラックス系のほとんど汗をかかないクラスでは、外着としても使えるようなウェアを着てくれば着替えなしで参加する事も可能です。
誰にでも出来る
常温のヨガはできない人、向かない人というのがありません。
本来のヨガはいくつになっても、カラダに不調があっても行う事が出来ます。
常温ヨガのデメリット
正直、常温ヨガのデメリットというのは全く思い浮かびません。
元々常温でやるのが本来のヨガですので、ヨガとしてのデメリットは常温にはないのです。
けれど長年ホットヨガのクラスを担当してきて、ホットヨガが好きな人にとっての常温ヨガのデメリットはよく知っています。
大量の発汗が無いので物足りない
大量の発汗が無いので物足りない
ホットヨガスタジオに通って下さる方には「絶対ホットヨガじゃないと嫌だ!」という方が多数いらっしゃいます。
お話しを聞いているとやはりヨガをするだけではなく、この大量に汗をかく非日常感が好きなようです。
そこに重きを置く方には常温ヨガは物足りないようです。
ホットヨガに向かない人
ヨガが向かない人はいないのですが、ホットヨガに関しては明らかに向かない人がいるので注意が必要です。
- のぼせやすい方
- 高温多湿が苦手な方
- 水が飲めない方
のぼせやすかったり高温多湿が苦手な方はホットヨガに向きません。
体験した時にご自身でも嫌だな、と感じると思います。
水が飲めない方は向かないと言うより、水を飲む努力をしないとカラダによくないという意味です。
時々、日ごろからあまりお水を飲む習慣が無く、汗をかいていてもほとんどお水を口にしない方がいらっしゃいます。
本人にとっては日常と変わらない水分補給のイメージなのでしょうが、ホットヨガで汗をかいている時は危険です。
意識して、ちょっと努力してでもお水を飲んで頂けたらと思います。
ホットヨガに関する噂の間違え
ホットヨガと常温ヨガの違いについて説明された文章で、常温ヨガは深い呼吸で行うので副交感神経が優位の状態になり、ホットヨガはその環境から呼吸は浅くなりがちで交感神経が優位になるとの説明が見られることがあります。
ですが、あくまでホットヨガと常温ヨガの違いは環境であり、ヨガそのものに違いはありません。
ホットヨガの場合でも呼吸を深くする事は常に心掛ける事ですので、深い呼吸により副交感神経が優位に導かれる事に変わりはありません。
ヨガの基本は深い呼吸です。
是非ご自身もその事を忘れずにクラスに参加して頂けたらと思います。
インストラクターの本音
以上は一般的なホットヨガと常温ヨガの違いです。
実際クラスを持っているインストラクターはどう思っているのでしょうか?
インストラクターのヨガの現状
正直、インストラクターの大半は自身のヨガとしては常温ヨガをしています。
私は長くヨガスタジオでインストラクターの採用担当をしていましたが、ホットヨガが好きで、ホットヨガだけでインストラクターをやりたいと考えている人はほとんどいませんでした。
出会った事のある数百人のインストラクターの中で、ホットヨガ専門でやりたいと言った人はわずか一人。
その他はみな、「どちらでも全く構わない」もしくは「常温ヨガの方がいいけれど、ホットヨガもやります」または「ホットヨガは絶対にやりません」の3パターンに分かれます。
これはあくまでも私が実際に会った人の話です。
インストラクター養成コースを持っているホットヨガスタジオで資格を取った方は、もしかしたらホット専門っていう方も多いかもしれません。
私の周りではホットヨガの方が人気なイメージなんですけど、何で先生達はみな常温を選ぶの?
なぜインストラクターは常温ヨガを好むのか
【ヨガ】そのものに興味を持って深くヨガを学びたくなると、ホットである必要性が全く感じられなくなるからです。
むしろホットだとヨガの学びを深める事はできなくなります。
ヨガを始めたりインストラクターになったきっかけがホットヨガという方はとても多いのですが、ヨガが好きになればなるほど最終的には自分の学びとしてはホットを卒業していくのです。
一般的にヨガやホットヨガをされている方の目的はダイエットや健康・美容・リフレッシュなどなど、色々あります。
そしてホットヨガはそれ全てに効果的です。
けれどヨガを好きになり、インストラクターになりたいと思うほどヨガを学びたいと思ったら、その目的はヨガを学ぶこと・深める事に移行します。
本当のヨガの効果を得たいと思った時にはホットの環境は邪魔になります。
もちろん、ホットが悪いという話ではなく、健康や美容の為の普通のヨガクラスではホットでも常温でも効果も楽しさもいっぱいです♪
ホットヨガのクラスの後、皆さん本当にスッキリ晴れ晴れとしたお顔をされています。
習い事としてヨガを楽しむ点においては、ホットヨガって魅力爆裂ですよ!
ご自身に合う方で是非ヨガを楽しんで頂けたらと思います。
まとめ
では、本日のまとめとしてそれぞれのヨガに向いている人の傾向をあげておきます。
ヨガ初めての方はぜひ自分にはどちらのヨガが合うか参考にしてみてください。
とは言え何より、論より証拠。
まずは体験してどちらのクラスも体験して体感として自分に合う合わないを感じて頂けたらなと思います♪
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